様々な制作環境から書き出されるPDF比較に役立つ補助機能です。
文字の微細なズレを減少
全く変更を加えていないPDF同士を比較した場合でも、文字部分に差分が検知されることがあります。
これは多くの場合、[原本][校正]それぞれのPDFが異なる作業環境で書き出されたことに依るものです。このような場合には、補助機能[文字の微細なズレを減少]をONにすると「差分マーカーの表示を減少」させることができます。
文字ズレによる差分とは?
InDesign や Illustrator 等のデータを、違うバージョンで開いて書き出したPDFは、文字位置がごく微細にズレることがあります。BitMatch Premiumは内容に差異がなくても、微細な位置ズレを差分として表示します。
文字のズレ幅が微細でない場合は差異として検知し、差分マーカーが表示されます。また文字にアウトラインが取られている場合は、機能しません。
1メニューバーの[編集](Windows) /[BitMatch Premium](macOS) から[環境設定]を選択します。
[検版補助機能]の[文字の微細なズレを減少]をONにして、[設定]を押します。
2この状態でPDFを比較すると、文字の微細なズレがある場合は、差分マーカー表示が減少します。
CMYKエミュレーション
PDFを取り込んだ際、検証パネルに表示されたPDFの一部が正確に表示できないケースがごく稀にあります。これはPDFを書き出したアプリケーションとBitMatch、それぞれの画像処理のカラーモードの違いに依ることがあるため、補助機能[CMYKエミュレーション]をONにして確認してみてください。
BitMatch Premiumの画像処理はRGBです。エミュレーションモードはPDF内のRGB値をCMYK値に変換し、検証パネルでの表示を擬似的にCMYKで表示します。
1メニューバーの[編集](Windows) /[BitMatch Premium](macOS) から[環境設定]を選択します。
[検版補助機能]の[CMYKエミュレーション]をONにして、[設定]を押します。
2CMYKでエミュレーション(擬似的に再現)することで、正しく表示できる場合があります。
文字ノセを検査
校正PDF内の色文字、または白文字にノセがないかを調べる機能です。
・ 本機能は、校正PDF内の文字に対してのみ動作します。原本PDFには機能しません。
・ 文字にアウトラインが取られている場合は機能しません。
1メニューバーの[編集](Windows) /[BitMatch Premium](macOS) から[環境設定]を選択します。
[検版補助機能]の[文字ノセを検査]をONにして、[白文字] [色文字]のいずれか、または両方にチェックを入れ、[設定]を押します。
2原本、校正PDFを読み込みます。ここでは、校正PDF の文字にノセがある場合を例に説明します。
3校正PDFの文字にノセがある場合の読込み結果です。[差分マーカー]をONにすると、検証パネル左に[差分を表示]ボタンが現れます。このボタンが表示されているときの検版パネルの表示は通常の差異を差分マーカー表示した状態です。
4ボタンを押すと表記が[文字ノセ確認]となり、文字にノセのある箇所に差分マーカーが点滅し、ノセの確認ができます。
環境設定の[文字ノセを検査](□色文字 □白文字)をONに、検証パネルの[差分マーカー]をONにしても、[文字ノセ確認]ボタンが表示されない場合は、読み込んだ校正PDFの色文字あるいは白文字にはノセはありません。
[差分マーカー]がグレーアウトして[文字ノセ確認]ボタンが現れる場合
「原本、校正PDFに差異はないが、校正PDF内の文字にノセがある」ということになります。
比較保存したPDF
比較保存したPDFには、注釈とマーカー(紫色)が追加され、該当箇所を確認できます。
※Adobe Acrobatで開いた例
コメント(マーカー)を非表示にするには
比較保存したPDFで、コメントを非表示にしたい場合はAdobe Acrobat(Readerでも可)の[すべての注釈を隠す]機能で対応が可能です。
フォント属性の検査
「フォント属性の検査」は、差分マーカーでは検出されない、視覚的に同一なフォントの内部属性の違いを検査する機能です。
たとえば、同じフォントで文字セットが異なる[Std]を[Pr6]に変更した場合などは、文字の形が同じためフォントが変更されたかどうかを見た目で判別できません。このような場合は[フォントの属性を検査]をONにしておくと、便利です。但し、フォントにアウトラインが取られている場合は機能しません。
同じフォントで文字を変更した場合や太さやサイズを変えた場合の差異は、[差分マーカー]で表示されます。[フォント属性の検査]をONにしても、マーカー(オレンジ色)およびコメント情報は表示されません。
1メニューバーの[編集](Windows) /[BitMatch Premium](macOS) から[環境設定]を選択します。
[検版補助機能]の[フォント属性を検査]をONにして、[設定]を押します。
2原本、校正PDFを読み込みます。ここでは、[Pr6]フォントを[Pro]フォントに変更したPDFを例に説明します。
3同じフォントで文字セットの違う箇所が、マーカー(オレンジ色)表示されます。マーカーの箇所をダブルクリックすると、変更前・変更後のフォント名と適用部分が表示されます。
比較保存したPDF
[フォント属性の検査]で違いがある状態で比較保存したPDFには、コメントとマーカー(オレンジ色)が追加され、該当箇所を確認できます。
※Adobe Acrobatで開いた例
コメント(マーカー)を非表示にするには
比較保存したPDFでコメントを非表示にしたい場合は、Adobe Acrobat(Readerでも可)の[すべての注釈を隠す]機能で対応が可能です。